コスタス・ツィミカス│リバプール選手名鑑

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基本プロフィール

画像出典:liverpoolfc.com

  • 選手名:コンスタンティノス・ツィミカス
  • 生年月日:1996年5月12日
  • 国籍:ギリシャ
  • 身長:179cm
  • ポジション:LSB
  • 背番号:21
  • チームキャリア:オリンピアコス(15/16~)、エスビャウfB(ローン:16/17)、ヴィレムⅡ(ローン:17/18~)、リバプール(20/21~)
  • 市場価格:9,00 Mill. €
  • 契約終了年:2025年6月30日

プレースタイル

キレのあるドリブル突破で左サイドを攻略し、鋭いクロスを供給できる左SB。フィジカル・テクニック共にある程度完成されており、能力的にこれといった大きな穴は見当たらない。

ストロングポイント

画像出典:thisisanfield.com

白眉なのは単騎での打開力。多くのSBは高い位置でボールを持っても独力で打開する術を持たないため、すぐさまクロスをあげるか、近くにいるWGやMFに預けてやり直すことが多い。しかし、ただ単にクロスをあげてもリバプールの前線は高さがないため効果的とはいえない。また、ボールを近くの味方に預けるということは、リバプールの持ち味を消してしまっているのと同義。もちろん、手詰まりの際にボールを下げてやり直すのはリバプールであっても当然の選択だが、例えばカウンターの際、SBに独力での突破が期待できればそれだけで決定的なチャンスになりえる。

その点ツィミカスは単騎で仕掛けることができ、1人2人とサイドに釣り出すことができる。ワイドで基点となり、相手の守備者をおびき寄せ、時間とスペースを生み出すことによって効果的なタイミングでクロスを放つ彼のスタイルは、リバプールがSBに求めているものに近い、理想的なスタイルといえるだろう。

高い位置でボールを持ったツィミカスをより際立たせるのが、狭いスペースの攻略だ。SBがドリブル突破によって違いを生み出すシーンの多くは、スピードを生かしたオープンスペースの強襲。しかし、彼の場合は狭いスペースでも高いボールスキルでこじあけることができる。切り返しやターン、キープの技術は下手なアタッカーよりも優れており、SBとしては十分以上のものを持っている。

単純にキックの質がずば抜けているわけではないが、それでもクロスが上手い理由はこのように効果的なタイミングでクロスを放てるところにあるのだろう。果敢な攻撃参加はまさにアンドリュー・ロバートソンを彷彿とさせ、攻撃面だけに限っていえば全く見劣りしない。

フィジカル的な観点から見た場合、まず優れているのがスピード。179cmとSBとしては水準以上のサイズを誇りながら、アジリティやクイックネスといった部分はまずまず。純粋なトップスピードも爆発的と形容するレベルにはないが、十分に優れている。桁違いのスピードを武器にしたアタッカーとの対面は苦戦するだろうが、それはロバートソンとて同じ。基本的にスピードの不足感を覚えることはなさそうだ。

こういった攻撃的なSBに危惧されるのが守備面だが、ツィミカスはアグレッシブな守備も光る。コンタクトプレーを厭わず、ファイトできるという点でユルゲン・クロップ好みといえるだろう。そもそも、守備に積極的でないSBを今さら獲得するとも思えない。簡単に飛び込みがちな面もある上に、技術的・身体的な守備の強度に限界こそあれど、前提としてあまりに攻撃参加しすぎて守備を疎かにする、という心配はなさそうか。

 

ウィークポイント

画像出典:hitc.com

不安があるとすれば、やはりリーグレベルの違いだろう。ギリシャでは圧倒的なプレーを見せていても、イングランドで全てが通用すると考えるのはやや甘いか。たしかにオリンピアコスではロバートソンのような際立ったプレーを見せているが、裏を返せばリバプールでロバートソンはあのクオリティのプレーを安定して見せている。

ポテンシャル的にはロバートソンにも見劣りしないが、実際にイングランドの水に馴染めるかどうかは始まってみないとわからないし、本人のパーソナリティもまだ見えていない部分も多い。急激なステップアップや環境の変化に適応できるかどうかで、彼の爽快なプレーがピッチで見られるかどうかは変わってくるだろう。

ただ、そのポジションにおいて現世界の第一人者がライバルでもそれを受け入れ、素晴らしい競争心や野心を見せて加入するような選手であり、また、入団時のインタビューに対して英語でやり取りしていることを踏まえれば、杞憂に終わるかもしれない。無論、シーズンの序盤はプレミアのレベルの高さを体感するだろうが、それもアジャストしていくはず。そして、クロップはそれが抜群に上手い監督だ。

純粋なプレー面から見る不安は、やはりフィジカルコンタクトか。ツィミカス自身はコンタクトプレーを厭わないタイプだが、わりと簡単に弾かれたり倒れたりするシーンが散見される。やや細身でパワー不足は否めないため、より速くより強いイングランドの舞台では一層厳しくなるだろう。前述の通りSBとしてはサイズに恵まれているので、(スピードが落ちない程度に)身体に厚みをつけておきたい。

また、自陣でのボールロストにも気をつけたい。やはりボールスキルに自信があるのか、やや自陣深めの位置でも簡単にボールを蹴らない。瞬く間にスペースが無くなるプレミアにおいては致命的なミスに繋がりかねないので、ここら辺の判断力も注意深く見守る必要がありそうか。

総合的に見て、ツィミカスのクオリティは控えにはもったいないレベルにある。単なるロバートソンのバックアッパーとしての域を超え、良質なローテーションを実現させうるだけのタレントだ。26番を欠くと途端に迫力やスピード不足に陥ったリバプールの問題を解決してくれる選手として期待がかかる。

 

エピソード・小ネタ

画像出典:リバプール公式Twitter

・エーゲ海に臨むギリシャのテッサロニキ出身。このテッサロニキ、都市名の由来がまた面白い。表記は「Thessaloniki」なのだが、これは「Thesaalos(テッサロ=テッサリア。この地域の名称)」+「Nike(ギリシャ神話における勝利の女神ニケ)」を組み合わせたものだ。意味はそのまま「テッサリアの勝利」。さすが、神話の国らしい名前といえる(余談だが、ギリシャ最高峰であり主神ゼウスを始めとするオリュンポス十二神の居所とされるオリンポス山があるのも、このテッサリア地方である)。さて、注目すべきは「Nike」の部分だが、これは20/21シーズンより新たにリバプールのキット・サプライヤーとなったナイキの社名の由来となった女神である。ツィミカス自身の個人スポンサーもナイキであり、やや運命めいたものを感じるか。

・兄弟がリバプールの熱烈なサポーターだったらしく、その影響もあって自身もリバプールは子供の頃から応援するクラブだったそう。兄はリバプール移籍の話が出た際、ツィミカスに絶対行くようにと促したそうだ。

・現在はフランスのナントでプレーするペドロ・チリベジャとは、それぞれローン先となったオランダのヴィレムⅡで共闘した仲。2人は馬が合ったらしく、今も関係は続いているようだ。チリベジャはツィミカス獲得のアナウンスを知らせるリバプール公式のツイートに対し、祝福のメッセージを送っている。

 

・背番号は21だが、この番号は彼のお気に入りとのこと。前述のヴィレムⅡで背負って以来、復帰したオリンピアコスでもこの番号を背負い、今回のリバプールでも選択したそうだ。

 

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