VSマンチェスターC〜好ゲームの攻防を写真とスタッツから観る〜

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マジスタ#7
リバプールを楽しむ。 気軽な内容から踏み込んだ試合分析・選手名鑑まで記事にしていきます。 YNWA!

PL29節 リバプールVSマンチェスターシティの試合はご覧になられましたか??筆者はリアルタイムでの観戦に加えて、翌朝からずっと余韻に浸って試合を見返しています。笑

今回の記事ではそんなシティ戦の興奮を忘れないよう、改めていい試合だったと感じれるよう、重要シーンのコマ送り写真とスタッツを用いながらラボ利用者の皆さんとシティ戦について振り替えっていこうと思います。

PL29節VSマンチェスターシティ試合概要

まずは簡単に試合を振り返ってみようと思います。重要シーンに対する詳しい考察はこの後に写真つきで掲載しているので、その前にツッコミは入れず試合を思い出す程度に書かせて頂きます。(試合内容が頭に入っている方は写真が出てくる後半辺りから読んで頂いても問題ありません)

 

まずは19分、スターリングがピッチ中央あたりからサネへスルーパス。その後サネのシュートをミニョレがブロックしますが、こぼれ球はフリーのシルバに渡ってしまいます。正直シルバの技術なら決められると思いましたが、運良く左足から放たれた鋭いボールはクロスバーの少し上に外れてくれました。

続いて23分相手のバックパスミスからマネとオタメンディが徒競走を始めます。オタメンディが相当なリードを持ったスタート位置でしたが、マネの速さが尋常じゃないです。一瞬にしてキーパーと1体1に。決めるかと思いましたが、オタメンディはやってくれました。マネは倒されてしまい得点には繋がりませんでした。そしてPKもなし。

次に26分、左サイドやや深めの位置でシルバの絶妙なダイレクトパスからサネが抜け出し、完全に崩されました。しかしサネがクロスをあげますがミルナーが辛うじてコーナーに逃れピンチを脱します。セーフティーにコーナーに逃れたミルナーの選択はリスクを考えるとクレバーだったと思いますし、さすがでした。

そのわずか1分後の27分、右サイドのクラインからPA右寄りのエリアでボールを受けたワイナルドゥムが魅せます。ヤヤトゥレを嘲笑うかのような滑らかなタッチで股を抜き、続いてオタメンディもいい切り返しでかわします。一体いつのまにジニはあんなドリブルで切り裂くようになったんでしょう。この試合の彼のアジリティは素晴らしかった。しかしこの場面はヤヤトゥレに倒されPKかと思われましたが、笛は鳴らず流されてしまいます。

34分、クラインが縦にグラウンダーの長いスルーパス。そのボールにフィルミーノが抜け出し、彼は中のワイナルドゥムへ折り返します。この日のワイナルドゥムは視野も素晴らしかった。的確に左サイドでフリーのコウチーニョに展開します。PA斜め45°辺りでボールを受けたコウチーニョ。そうここからのカットインは彼のゾーンでしょう。ビッグマッチということもあって期待が膨らみましたが、これは惜しくも変化しきらず枠の外。やはり久々にコウチのミドルが見たいですね。

その4分後の38分には大ピンチが訪れます。左サイドでボールを持ったサネが1度デブライネに戻し、その瞬間PA左寄りスペースに上手く抜け出したシルバにスルーパスが通ります。シルバは絶妙のボールをゴール前に送り、混戦状態。危うくスターリングに決められるところでしたが、ここで仕事をしたのがミルナー先輩。「お前にだけは決めさせねえ」とばかりに勇気あるスライディングをお見舞いしてくれました。しかしこれだけでピンチは終わらず、大外にいたフェルナンジーニョがドフリーでスライディングシュート。筆者はもう頭を抱えていましたが、なんとシュートは外側のサイドネットに直撃。本当に心臓に悪かったです。

その僅か1分後、39分にはコウチーニョからのボールをPA外やや左寄りでボールを受けたフィルミーノがカットインし右足でシュート。カーブのかかったいいシュートでしたが、カバジェロのファインセーブに阻まれます。

またさらにその僅か1分後の40分にはコーナーキックをカバジェロがパンチングでクリアしたボールに颯爽と現れたララーナが胸トラップから鋭い振りのドライブシュートをお見舞い。しかしこれはまたもカバジェロのファインセーブに阻まれてしまいました。

この後ワイナルドゥムがフェルナンジーニョを2度ぶっ飛ばすプレーがあったりと、そんなこんなであっという間に前半終了。

後半が始まり46分にいきなりチャンスが訪れます。ララーナが1度マティプに戻しマティプが絶妙な引き付けでララーナにリターン。そのボールを右サイドのクラインに展開するとクラインは斜め前方に入ったフィルミーノに好スピードのパス。ここでもう1度絡んで来るのがこの男ララーナです。フィルミーノにボールが入ると右サイドの空いたスペースに飛び出しスルーパスを受けます。その後ララーナはゴール前ややマイナス方向のマネにグラウンダーの素晴らしいクロス。パスの回し方も素晴らしかったので 遂に来た! と思いましたが、ストーンズが間一髪、マネのシュートをブロック。

しかしその2分後に待望の時はやってきます。ピッチ中央辺りでボールを受けたジャンが顔を上げるとフィルミーノが反応。バックスピンのかかった美しいボールをフィルミーノが胸トラップするとクリシーが堪らず足を出してしまいます。これには笛がなりPK獲得。叫びました。さぁ決まるのか。キッカーは神話男ミルナー。クロップは後ろを向いて時を待っています。……このビッグマッチでキーパーの逆をつきしかもサイドネットに突き刺す素晴らしいシュート!いやぁ嬉しかった。やっぱりサッカーはこの瞬間が最高ですね。

続いて60分にはコウチーニョがダイアゴナルにドリブルしたところをフィルミーノが裏に抜け出し、ブラジルコンビのスルーパスが繋がります。キーパーと1体1のビッグチャンスを作り出しますが、これもカバジェロがセーブ。追加点とはなりませんでした。

しかしさすがはマンチェスターシティ。反撃を見せてきます。右サイドでボールを受けたデブライネからの速いグラウンダーのクロスに上手くCBの視界から消えていたアグエロがゴール。後の写真考察でわかりますが、アグエロのストライカーとしてと動きの上手さが光ります。

75分にはアグエロの個の力から危うく失点しかけますが、アグエロが足を滑らし命拾いします。と安心したその時、デブライネが現れて左足一閃。終わった…と思いましたが、ポストに当たりまたもや命拾いします。本当にサッカーは心臓に悪いです。笑

79分にあの場面が訪れます。ララーナが1人でピッチ中央からゴール前に運び、ボールはフィルミーノへ。フィルミーノがワイナルドゥムへ落とすと彼はシャビアロンソのような柔らかいループパスでシティ守備陣を崩壊させます。フィルミーノの折り返しも完璧あとはララーナ決めるだけ、、。まぁしょうがないですよ、あれだけ長い距離を走って来たんですから。

81分にはシルバがワールドクラスの実力を見せてきます。まさかそこに出すとはという場所にループパスで決定機を演出。ボールを受けたのはそう、ラヒーム君です。助かりましたね。

なんと同じ81分にはマネの持ち上がりから、倒れ込みながらもフィルミーノへスルーパス。なんて激しい攻防でしょう。フィルミーノはもうドリブルする体力は残ってなかったでしょう。渾身のシュートを放ちますが、これはゴールならず。

この後はもうお互い持つ体力を尽くしよく闘いました。アグエロのボレーなどもありヒヤリともしましたが、両選手体を投げ出して闘う姿が素晴らしくビッグマッチに相応しい試合になったと思います。

簡単にですがこの試合の注目シーンを書き連ねてきました。

続いて、スタッツとコマ送り写真を用いてシティ戦の各場面における詳細を見ていきたいと思います。(スタッツはWho Scoredを参照しています)

スタッツ&コマ送り写真による詳細考察

こちらのスタッツを見るだけでもシティ戦がお互いどれほど激しい攻防を繰り広げたかがわかります。ファイナルサードでのパス、シュート数、コーナーキックの数がほぼ同じ。前2つに関しては全く同じという拮抗ぶりです。

お互いノーガード…とは言いませんが、お互いの長所を出しながら果敢にゴールを狙い、攻守が目まぐるしく変わった好ゲームでした。

こちらは一試合を通しての両チームの評価をグラフ化したものです。(水色がリバプール、オレンジがシティという少しイメージし辛い配色となっていますが…)

お互いにほぼ同率でレーティングをあげていき、試合終了時には両チーム共に同スコアの6.88を記録しています。

その中でHT後から約20分間と試合終了10分前の2回の時間帯において、レーティング面でシティを少し上回る展開となりました。HT後から調子をあげられる辺りと、試合終盤になっても走り、好機を演出出来るチームということで、クロップの手腕と、チーム全体の勝つという意思、そしてリバプールの走力が表れたスタッツがこのビックマッチの結果でしょう。試合終盤のレーティングで上回っているので、その時間帯に点が取れれば最高でしたが、それもサッカーというスポーツの一部であり、相手にも好機がたくさんあったので、欲張りは禁物ですね。

続いてこちらは両チームのシュート位置を示したものです。(配色については上記同様)

なんとリバプールのPA外シュートが0%。13本全てのシュートをPA内に侵入し打つことに成功しています。年が明けてから、ゴールをこじ開けられず、PAに侵入することすら難しくなっていたリバプールがようやくPA内でシュートを打てるようになったことは嬉しいスタッツでしょう。(相手も攻めてくるので、固めてくるボトムに対してとは意味合いも変わってはきますが…)ミドルシュートも素晴らしい得点手段ですが、攻撃力を売りにしている以上、どんな相手に対してもPA内に侵入する力を身につけて欲しいところ。シティ戦を引き金に今後もどんどんPAに入る攻撃を見せて欲しいものです。(参考として下記はVSハル2ndのシュート位置のスタッツ。同じく水色がリバプールとなりますが、明らかに今節の方がPAに入れるようになっている。何度もいいますが、リバプールの戦術上ジャンケン理論でトップ6とボトムとの戦い方が変わるのは当然なので、問題は今後どうやって下記のスタッツも改善していくか。)ハルシティ戦の記事はこちら

 

こちらのスタッツは攻撃サイドを割合で示したものです。(配色は上記同様)

リバプールは右サイド、主にマネやクラインを中心に突破を図りました。ララーナやワイナルドゥムの飛び出しも光ったのでピッチ中央に関してもほぼ同率を記録しています。やはり気になるのはKOPの悩みの種、コウチの調子。前半戦は華麗なドリブルや、俯瞰力を活かしたラストパスに強烈ミドルと、まさに攻撃を牽引していたリトルマジシャンですが、怪我あけからは思う様に調子があがらず、試合終盤でのプレスのズレや不要なボールロストからピンチを招くシーンも多々見られています。先日行われたブラジル代表での試合では素晴らしいミドルシュートを決め、さらにはダービーへの意気込みも強いそうなので、エースの復調に期待したいところ。

対してペップはやはりサイドで起点を作りたいのは明らかでした。左サイドが38%と右サイドが33%というスタッツにも表れています。3Sの1角だった時代もあった右サイドの彼、の戦術的知能を補うため、右サイドは基本的にスペースをあけ、明確な選択肢を用意しミルナー先輩VS彼で勝てるという算段。左サイドに関しては主にサネ、シルバ、デブルイネらの狭いスペースでのコンビネーションで崩すというスタイルでした。たしかに左サイドの彼らのコンビネーションは厄介で何度もピンチを迎えましたね…。

その典型的なシーンが続いての項目の最初の写真

コマ送り写真

左サイドでサネからボールを受けたデブルイネがこの位置でフリーに。この状態ではララーナがシルバを見ていますが..。(審判のいる辺り。選手の識別が難しくすみません)


ララーナがデブルイネのチェックにいこうとすると、マークが受け渡されなかったフリーのシルバがクラインとマティプの間からPA内に飛び出し。
リバプールDF陣も一瞬の出来事に慌てて戻りますが、スターリングとフェルナンジーニョがフリーであわや失点と思われた場面です。(この場面はミルナー先輩の先輩タックルとフェルナンジーニョがスライディングシュートを外してくれたことで、なんとか助かりました…)

やはり狭いスペースでも連携で一瞬チャンスを作る彼らは脅威でした。あの状態でシルバをフリーにする中盤と最終ラインのマークの受け渡しも問題がありますし、デブルイネがボールを持った状態で中盤のライン全員がほぼDFラインに吸収されていることにも問題がありました。まだまだ守備の連携には問題があるようです。

 

次はリバプールの攻撃が光ったシーンです。

赤丸のエリアでクラインとフィルミーノが2人もしくは3人の選手を引きつけています。この前のビルドアップで1度クラインを経由していたことで相手のサイドバックを引き釣り出すことに成功し黄色丸のエリアを大きくあけることが出来ました。そしてこのスペースに素晴らしいタイミングで走ったのがララーナでした。惜しくもシュートはブロックされましたが、リバプールの「流動性」の良さが発揮されたシーンだったと思います。

こちらもチャンスシーン。完全に数的不利でしたが、チャンスに結びつけた良いシーンでした。コウチーニョが左サイドから中央にカットインしていきます。

この時点で相手4バックから右サイドバックのフェルナンジーニョを釣り出すことに成功。

コウチーニョはさらにカットインしCBのストーンズまでも釣り出すことに成功します。この時点で相手4バックは2バックがラインから外れ、こちらの左サイドをすっぽりとあけてしまいます。

そこからいい連携でコウチとポジションを変えてオーバラップしていたフィルミーノが抜け出しスルーパス。キーパーと1体1の状況を演出しました。

運びのドリブルで相手のオーガナイズを崩すことに成功し、数的不利ながら決定機を創った良い場面だったと思います。

続いてはこの試合である意味最も驚いたあの場面。

まずは守備の状況でララーナがこの位置でボールを奪取。

え??ララーナ??マネが倒れた横でこの位置まで猛烈な駆け上がりを見せます。この時間にこの走力、いや気力は有り得ない。毎試合毎試合ほんとに頭が上がりません。彼がこの位置まで走っていなかったらマネの位置でボール失い、また守備が続く苦しい展開になっていましたが、彼のおかげで攻撃だけでなく守備陣の負担も軽減されました。

ララーナが5人に囲まれて頑張っている…のに目が行きがちですが…オリギ???君途中出場じゃん、もうひと頑張りして右サイドのスペースかけあがれば一気にキーパーと1体1を作れていたかもしれません。オリギは個人的に好きな選手なので覚醒が待ち遠しいですね〜

そしてララーナは誰よりもゴールに近い位置まで走ります。

そして絶賛覚醒中のワイナルドゥムのため息の出る様な柔らかいループパスから…

まあここまでにしておいて…

というララーナの走力が光るシーンでした。

 

続いては気になったアグエロの上手いポジショニングについてをコマ送りで観ていきたいと思います。下記は最初に紹介したシーンを違う角度からみた写真です。

このように左サイドにボールがある時アグエロは主にLCBのクラバンとLSBのミルナーの間にポジショニングをとっていました。1トップなのでシンプルに2枚のCBの間にいるはずなのですが、あえてこの位置にいることによりミルナーを大外のスターリングのマークに集中出来なくさせています。そして中央でマティプもクラバンもマークの確認がし辛くなっています。一試合を通してこのポジショニングが非常に厄介でした。

アグエロがやや右寄りにポジショニングをとってたこのような場合でも、左サイドでサネ、シルバ、デブルイネの3人ならアグエロがいなくても充分に崩しきることが出来ます。アグエロがボールから離れたポジショニングをとっても、ララーナ、ジニ、クライン、マティプらを3人で崩せることを生かした良い戦術でした。

ミルナーは1番ゴールに近いアグエロへの守備が重要になり、スターリングのマークがあやふやな状況に。前述の通り失点にはなりませんでしたが、DFラインのマーク確認の能力が非常に低く感じました。写真には写っていませんが、このさらに大外にはフェルナンジーニョが中へと走ってきてチャンスを窺い続けていました。それに対してコウチのポジションは上記写真のような位置です。クラバン、ミルナー共に中途半端な位置で漂うアグエロに手を焼いている状態はもっと狙われていてもおかしくありませんでした。

こちらは失点シーンの写真。右サイドに開いたデブルイネにボールが渡ろうとしている状況です。この時、アグエロはクラバンの前(ボール寄り)にいますが…

デブルイネがボールを持った時には既にクラバンの背後に周りこんでいます。FWとして基本の動きですが、その動きにムダがなく驚くほどスムーズでした。さすがは生粋のストライカーです。

そしてデブルイネのグラウンダーの素晴らしいピンポイントクロスから失点。デブルイネのセンスとアグエロのFWとしての基本能力の高さが光ったゴールでした。相手が強豪シティなので仕方ない部分もありますが、クラバンはもちろんリバプールDF陣にはマークの受け渡しと、つき方に改善の余地がありそうですね…。

 

最後はリバプールの得点シーン(正確にはPK獲得シーン)を見て気持ちよく終わりましょう。

シティDF陣が2ラインをかなり深い位置で形成し、合計9人つまりキーパー含めて10人もの選手が置物状態となりました。それによりリバプールのエムレジャンは赤丸の広大なスペースでプレスが来るまで余裕を持ってボールを持ち…


ピルロやシャビアロンソ等を彷彿とさせる完璧なフライスルーパス。勝負ありでした。マネとフィルミーノのポジションが入れ替わっている流動的なポジショニングの効果とフィルミーノの絶妙なポジション取りと抜け出しのタイミングもあってサッカーにおいてこれ以上ないほどシンプルにゴールに辿り着くことが出来ました。この試合のジャンは守備においてもパスにおいても素晴らしく、一気にKOPの信頼を取り戻しつつあるようなパフォーマンスでしたね。ヘンドとララーナの出場が厳しいダービーにも期待がかかります。

 

 

以上、試合概要とスタッツ・コマ送り写真からシティ戦を振り返ってきました。忘れつつあった好ゲームを思い出してもらえる記事になればなと思います。需要があれば今後もこのようなレビュー記事続けていきます。

そしてもうすぐマージーサイドダービーです!前回、引き分けかと思われかけた後半ロスタイムでのマネの決勝弾の興奮は忘れられません。燃えるようなダービーをもう1度…!

代表weekで少しブランクがあると思いますが、ダービーまでラボの記事を読んで、コンディションを整えてください^^

マジスタ#7

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